新しい材料科学の息吹
このサイトは、平成25年度から5年間実施した文部科学省 科学研究費補助金・新学術領域研究「ナノ構造情報のフロンティア開拓―材料科学の新展開」の成果を紹介するものです。
材料の表面、界面、点欠陥等に局在した特徴的な原子配列や電子状態=ナノ構造が材料特性に決定的な役割を担う例は数多くあります。わが国は、ナノ構造における個々の原子を直接観察し、その定量的情報を直接的に得るための実験や理論計算、解析結果を具体的な材料設計・創出に活かす研究において、世界をリードする成果を上げてきました。
本領域研究は、このナノ材料科学を世界に先駆けてさらに開拓し、得られるナノ構造情報を合理的に活用するための方法論を確立させることを目的としました。この研究目的を達成するためには、材料科学と他分野、とくに情報科学の密接な連携が不可欠でした。一般に異分野の研究者どうしが意思疎通することは簡単ではありません。本領域では、研究目標や専門用語を互いに共有することに意識して努めました。その結果、当初の期待を超えるスピードで、質の高い融合研究の成果が上がりました。また次世代を担う多くの若手研究者とそのネットワークが育成されました。いま、まさに新しい材料科学の息吹を確実に感じることができます。
領域代表者
京都大学大学院工学研究科
田中 功